一度はアトピー性皮膚炎に効く温泉があると聞いたことはあるのではないでしょうか。
温泉好きの人にとっては、リラックスもできて、アトピー症状も改善までするのであれば、もう毎日でも入りたくなりますよね。
でも、
「本当に温泉ってアトピー性皮膚炎に良いのかなー?」
なんて疑問をもっていませんか?
そこで今回は温泉ってアトピーに効果あるのかやどんな泉質の温泉がアトピー性皮膚炎に有効なのか、どこの温泉が良いのかなどをご紹介していきますね。
こんな方におすすめ
- 温泉がアトピー改善に効果があるのか知りたい
- アトピーに効く泉質が知りたい
- アトピー改善におすすめの温泉を知りたい
温泉ってアトピー改善に効果あるの?
実際にアトピー性皮膚炎の長期療養を行う「湯治」という温泉療法ものもあり、アトピーに効くとされる温泉は存在するのです。
また、温泉療法は薬のような副作用の心配もないので安心ですよね。
湯治(とうじ)とは、温泉地に長期間(少なくとも一週間以上)滞留して特定の疾病の温泉療養を行う行為である。日帰りや数泊で疲労回復の目的や物見遊山的に行う温泉旅行とは、本来区別すべきである。
引用:Wikipedia
温泉療法は温泉に浸かることで肌の殺菌や、厚くなった角質層を取り除くことで症状が改善していきます。
温泉がアトピー改善に効果的とあらば、ぜひ試してみたいですよね。
ただ、アトピー性皮膚炎は、人それぞれ原因や症状が異なるので、自分にあった温泉成分を見つけていかなければいけません。
アトピー性皮膚炎に良いとされる泉質は「酸性泉」と「硫黄泉」
主な温泉に含まれる成分は大きく10種類に分けられます。
「単純温泉、酸性泉、硫黄泉、塩化物泉、炭酸水素塩泉、硫酸塩泉、二酸化炭素泉、含鉄泉、含よう素泉、放射能泉」の10種類です。
その中でも、環境省が定める温泉法の「泉質別適応症」にアトピー性皮膚炎の記載がある泉質は「酸性泉」と「硫黄泉」です。(気になる方は確認してみてください 環境省参考URL 「あんしん・あんぜんな温泉利用のいろは」)
酸性泉 皮膚表面は弱酸性ですので、酸性の酸性泉はアトピー治療におすすめとされています。 |
硫黄泉 解毒作用があり、酸性泉同様「黄色ブドウ球菌」の殺菌効果もあるのでアトピーに効果的に作用する泉質です。 |
このようにそれぞれアトピー性皮膚炎に対する効果があります。
注意ポイント
ただ、「酸性泉」「硫黄泉」共に人によっては刺激が強く、かえって症状を悪化させてしまう恐れがあるので、様子を見ながら入浴しましょう。
また「酸性泉」「硫黄泉」の2つだけが環境省が定める温泉法の「泉質別適応症」としてアトピー性皮膚炎の記載がありますが、この2つだけしか効果がないのかと言われると、そうではありません。
これからご紹介する温泉は酸性泉、硫黄泉を含まないところもあります。
様々な成分が混ざったり、その土地の唯一の成分が含まれていたりと、
一概に「酸性泉」「硫黄泉」だけがアトピー性皮膚炎に効果があるとは言えないのです。
人によっても合う泉質、合わない泉質がありますが、実際に温泉に入ってみて、自身にあう温泉を探すのが一番です。
自分に合った泉質の見つけ方
肌に合う温泉成分は人それぞれ異なります。
いろいろ試してみて自分にあった泉質を探してみましょう。
「どうやって自分に合った泉質を見つけていけばいいのかな?」
まずは刺激の弱い温泉から始めてみましょう。
刺激の弱い温泉というのは「単純温泉」と呼ばれる泉質の温泉です。
単純温泉を試してみて、肌が荒れたりしないようであれば、「酸性泉」「硫黄泉」などを試していきましょう。
これだ!って思う温泉がきっと見つかります。
自分に合う温泉があればラッキーくらいで気長に探すのが良いかもしれません。
自分に合う温泉が見つかったなら、湯治として温泉地に長期滞在してみるのもよいでしょう。
アトピーの方なら一度は訪れてみたいおすすめの温泉(湯治)3選
♨ 豊富温泉(とよとみおんせん) ふれあいセンター
豊富温泉はわずかに油分を含んでいて石油の臭い漂う、他に類を見ない温泉です。
アトピー性皮膚炎の湯治湯として評判がよく全国から長期療養目的で訪れる方も多いです。
湯治用の浴場と一般用の浴場の2つの浴場があり、どちらの浴場でも入浴することができます。
ただし、2つの浴場は入口が別のため、一度着替えなければいけません。
豊富温泉の成分にはアトピー性皮膚炎に効果的であるメタホウ酸、マグネシウムイオンが高濃度で含まれています。
- メタホウ酸 ・・アトピー性皮膚炎に関与している「黄色ブドウ状球菌」の殺菌抑制効果がある
- マグネシウムイオン・・アトピー性皮膚炎の炎症を鎮静化させる働きがある
また、油分に含まれるタール(抗炎症作用)やメタケイ酸(美肌効果)も含有していることから、
殺菌抑制効果、抗炎症作用、美肌効果これらが相まって、豊富温泉はアトピー性皮膚炎の湯治に適しているといえます。
食堂も併設しており、ラム肉ジンギスカン、鹿肉ジンギスカンなどが食べられますよ。
場所(住所) | 〒098-4132 北海道天塩郡豊富町字温泉 |
電話番号 | 0162-82-1777 |
サイト(関連) | https://toyotomi-onsen.com/hotspring |
料金 | 日帰り入浴 : 大人 510円 / 子ども 250円 / 65歳以上 380円 |
営業時間 | 8:30~21:00 ※年末年始は短縮営業 |
定休日 | 元日・整備日(毎年4月10日前後の4日間) |
泉質 | 含よう素-ナトリウム-塩化物温泉(弱アルカリ性高張性温泉) |
適応症 | 慢性皮膚病、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、神経痛、 関節のこわばり、くじき、うちみ、慢性消化器病、痔疾、 冷え性、疲労回復、病後回復期、健康増進、きりきず、 やけど、慢性婦人病、病弱児童 |
BADポイント
北海道の中でもかなり端っこに位置しているので交通の便が悪く行きづらい。
♨ 草津温泉 大滝乃湯
出典:-草津温泉-大滝乃湯
草津温泉はアトピー性皮膚炎の原因の一つである、黄色ぶどう球菌に対する殺菌作用があることから湯治に訪れる方もいます。
草津温泉には、主に6つの源泉があります。
湯畑、白旗、西の河原、地蔵、煮川、万代鉱
草津温泉とは言っても泉質がいくつもあるので、どの源泉に入ったらよいかわからないですよね。
初めて草津温泉に行く方は万代鉱源泉の温泉に入らないのが無難です。
万代鉱源泉は他の源泉より、酸性がきつく、肌への刺激がかなり強いです。
アトピーの方には刺激が強すぎてかえって悪化の恐れがありますので注意が必要です。
いざ温泉に入いろうとも、地元の方々が管理している共同浴場は観光客が入れる温泉も少なく、少し敷居が高いと感じることもあるかと思います。
そんな方はまずは、日帰りの温泉施設である草津温泉 大滝乃湯にお試しで入ってみるのはいかがでしょうか。
そこでアトピーの症状が悪化しないようでしたら、他の源泉の温泉を試してみるものよいでしょう。
草津温泉に6つの源泉があると説明しましたが、その中でも「美人の湯」として知られる煮川源泉を使用している温泉施設が大滝乃湯です。
大滝乃湯には「貸切風呂」や異なる温度の温泉を順々に入っていく「合わせ湯」があります。
また、配湯管の掃除をする毎月第2・第4土曜日は白濁の湯を楽しむことができます。
白濁の湯の日に合わせて訪問してみてはいかがでしょうか。
場所(住所) | 〒377-1711 群馬県吾妻郡草津町大字草津596-13 |
電話番号 | 0279-88-2600 |
駐車場 | 100台(無料) |
公式サイト | http://ohtakinoyu.com/ |
料金 | 大人:900円 / 子供:400円(3才~小学生) 貸切温泉「しゃくなげ」: 2,000円/1時間 |
営業時間 | 9:00~21:00 (最終入館 20:00まで) |
定休日 | 年中無休 |
泉質 | 酸性硫黄泉 |
適応症 | 神経痛、関節痛、ねんざ、うちみ、やけど、病後回復期、慢性消化器病、 美肌、 慢性婦人病など |
BADポイント
比較的大きな温泉で人がたくさんいるので、アトピーが重度でどうしても周りが気になってします方はあまりおすすめできません。
あくまで、草津温泉がどの程度アトピーに効果があるのか試してみたいという方におすすめの温泉施設です。
メモ
アトピー湯治として共同浴場で行われている時間湯が知られていますが、2020年3月末に湯長が廃止され、時間湯がなくなってしまうというニュースも出ています。
なんだか長く続いた伝統が廃止されるのは寂しい感じですよね。
時間湯がなくなってしまう前に1度体験してみてはいかがでしょうか。
時間湯は地蔵の湯と千代の湯の2か所で行われています。
時間湯の体験ができるのは千代の湯のみ。
♨ 松島温泉 乙女の湯
湯治用宿舎も併設されており、アトピー性皮膚炎の湯治として利用されていて、アトピーに効くとされている温泉です。
アルカリ性単純温泉で少しヌルヌルとしたような湯質が特徴です。
アルカリ性単純温泉はアトピー性皮膚炎で固くなった古い角質をとってくれます。
また、赤ちゃんにも優しい泉質なので、貸切り家族風呂を利用すればご家族で入浴することができます。
松島温泉 乙女の湯ではお湯を循環させず、常に源泉をかけ流しています。
ぬるめの温泉なので高温による肌への刺激も少なく、アトピー持ちの方におすすめできる温泉です。
シャワーのお湯も温泉が出るので水道水塩素シャワーを浴びる心配はありません。(温度は39~41℃前後 )
上記で少し触れましたが貸切り家族風呂があります。
お湯の準備等があるため、電話予約(1時間前)が必要となります。
入館料の他に、貸切り家族風呂使用料として、
「基本料金1時間2,000円」
延長30分毎に平日500円・土日祝日及びハイシーズン800円追加になります。
場所(住所) | 栃木県さくら市松島900 |
電話番号 | 028-682-2266 |
公式サイト | http://www2u.biglobe.ne.jp/~matuon/ |
料金 | 日帰り入浴 : 大人820円 / 子供(小学生)510円 / 幼児無料 (夕方4:00~ 大人610円 ・ 子供(小学生)400円 ・ 幼児無料 ハイシーズンを除く) 貸切り家族風呂使用料 : 入館料の他に、基本料金1時間2,000円 (延長 : 平日500円/30分 土日祝日及びハイシーズン800円追加) |
営業時間 | 10:00~21:30 (最終入場 20:30まで) (土曜・連休なか日は22:00まで営業) |
定休日 | 月曜日 但し月曜が祝日振替休の場合は営業 |
泉質 | アルカリ性単純温泉 |
適応症 | 慢性皮膚炎、冷え症、神経痛、筋肉痛、五十肩、痔病、 アトピー性皮膚炎、関節のこわばり、運動麻痺、健康増進、 疲労回復、病後回復期、うちみ、くじき、慢性消化器病 |
BADポイント
地図を見てわかる通り、周りに何もなく交通の便が悪いので車でないと行きづらいです。
入浴するうえでの注意点
アトピーの改善を目的に温泉に入る場合の注意点を説明します。
なるべくぬるめの温泉を選びましょう
熱さは刺激であり、肌の皮脂も奪ってしまうため、痒みが増してしまう場合もあります。
特に小さいお子様は、痒みを我慢することができず、余計に悪化してしまう恐れがあります。
「酸性泉」と「硫黄泉」の温泉では温泉成分を洗い流そう
温泉成分を洗い流さない方がよいといわれますが、「酸性泉」と「硫黄泉」は刺激が強く、肌の乾燥を招き、アトピー症状が悪化してしまう可能性があります。
温泉を出る際には、成分を洗い流すようにしましょう。
「酸性泉」と「硫黄泉」以外の温泉に入ったときは、最後に温泉の成分をシャワーで洗い流さないほうが良いかもしれません。
シャワーが水道水を使用している場合は塩素をかぶることになりせっかくの温泉成分が台無し。(シャワーから温泉が出てくる場合は問題ありません)
源泉掛け流しの場合は源泉のお湯を汲んで温泉をでるときにあがり湯をしましょう。
ただ、刺激の強いとされる温泉では基本的にはシャワー(水道水)でも温泉成分を洗い流したほうがよいです。
入浴した後は必ず保湿をしましょう
入浴後は素早く5分以内には保湿をしましょう。
入浴中は肌がツルツルになっていますが、入浴後は皮脂が落ちてしまい皮膚から水分が発散されてしまうため、そのままにしておくと肌が乾燥してかゆみが増してしまいます。
さいごに
今回ご紹介した豊富温泉(北海道)は特にアトピーの湯治としてかなり有名です。
可能であれば豊富温泉に行かれてみてはいかがでしょうか。
とはいえ北海道まで行けないという方、まずは近くにある温泉で自分に合う泉質を見つけたいという場合は、刺激の弱い温泉から始めてみましょう。
刺激の弱い温泉は「単純温泉」と呼ばれるものです。
その後、「酸性泉」「硫黄泉」などを試していきましょう。
人によって効果のある温泉は違います。みんなが「これは効くよ」と言っていても,自分には全然効かなかったなんてことがあります。
当サイト等も参考に、ご自身に合った温泉に出会えるように色々な温泉を試してみてください。
薬と違って副作用があるわけではありませんので、試してみる価値はあると思います。